クリニックからのお知らせ

2017.03

Doctors File

「幡ケ谷さかえ整形外科クリニック」は、榮春人院長が2017年2月に開院したクリニック。院内は清潔で広々とし、診療とリハビリをワンフロアで受けられるので、患者にとって体の負担も少ない。待合室には、足を伸ばせるよう腰の高い椅子も用意。また、待ち時間を減らせるよう、受付人数が一目でわかる電子パネルを掲示。帰りには、エレベーターの扉に書かれた「おだいじに」という文字が目に入るなど、院内の随所に患者の視点に立った工夫が見られ、榮院長の患者に対する配慮と気づきの多さに驚かされた。診療では、丁寧に説明が行われるだけでなく、榮院長自身、患者との会話を楽しんでいる印象を受けた。そんな榮院長に、開業に至るまでの経緯や開院したばかりの同院にかける思いなど、たっぷりと聞いた。
(取材日2017年3月1日)

整形外科医をめざすきっかけとなった手術経験

―まず始めに、医師になったきっかけを教えてください。

僕の祖父が内科、父が耳鼻科の開業医でした。祖父は、子どもの僕に注射を直接見せないように後ろに回って打ったりと、いつもとても優しい人でした。父は忙しいにも関わらず休みになると必ず、僕たち兄弟4人をいろいろなところへ連れていってくれました。2人の姿を見て医師という職業に惹かれたのもありますが、2人の人柄を大きく尊敬していたので、自然と僕も彼らの後を追いたいと思うようになりましたね。大学へ入学し、小学校からずっとサッカーを続けていたのですが、大学2年生のときに前十字靭帯を損傷してしまいました。当初は保存的治療で様子を見ることになったのですが、しばらくスポーツのできない状態は僕にとってつらかったので、手術をすることになりました。おかげで元の生活に戻ることができ、そのときに手術で得た喜びは大きかったですね。そうした経験もあり、整形外科の道へ進むことに決めました。

―整形外科でのご専門はありますか?

僕はそのときの怪我で関節を痛めたのもあり、大学卒業後は、関節を専門に学んできました。当時の教授が人工関節の分野で知られ、経験豊富な方だったので手術の経験を多く積むことができました。関節というのはとても大切で、一つ悪くするだけで一気に生活能力や意欲の低下につながってしまいます。ですから人工関節は、まだまだスポーツをしたい、いろいろなところへ出かけたい、といった気力のある方に有効な選択肢の一つですね。開業前は永生病院の関節センターで副センター長を務め、人工関節、股関節の手術や関節リウマチ治療を多く行ってきました。

―患者さんはどちらからいらっしゃいますか?

八王子にある永生病院の患者さんにもお越しいただけるように京王線の沿線上で、自宅から通いやすい幡ヶ谷を開業場所に選びました。僕は長らくこの地域に住んでいまして、町内会の方々とも以前より親しくさせていただいています。開院してまだ間もないですが、ありがたいことにクチコミで多くの患者さんにご利用いただいていますね。また勤務医の頃から僕が診ている患者さんもお越しくださっています。僕が人工関節の手術を行った患者さんは全国にいらっしゃるので、遠方からの来院もありますね。近くに小学校もあることから、幅広い年齢層の患者さんを診療しているのも当院の特徴です。退院された方や、ご自分で病院へ足を運ぶのが難しい方のフォローアップもしっかりとできるようにクリニックの診療レベルを高い状態で維持し、また待ち時間の軽減を図るなど、お立ち寄りいただきやすい医療機関をめざしています。

見通しのよいワンフロアの院内には医療機器が充実

―清潔でとても広々とした院内ですね。

リハビリに力を入れられるよう、広さを持ったワンフロアでの開業にこだわりましたね。スタッフ間の連絡や動線、患者さんのご移動を考えると、診療とリハビリを同じフロアで行えるようにすることは欠かせませんでした。また、僕の目からリハビリ室の患者さんの様子を確認できるよう、見通しのよい設計にしました。ちなみに当院の運動療法士は僕と永生病院の関節センターで一緒に勤務していたので、急性患者も診られる技量を持っています。また、柔道整復師もおりますので、どんなことでもご相談ください。

―医療機器の充実も特徴ではないでしょうか?

レントゲンは整形外科になくてはならないものですから、レントゲン室にもこだわりました。実際に痛みを発する状態を観察できるよう、天井吊り下げ式のデジタルレントゲンを導入しているので、立位のまま撮影することができます。また、腰椎と大腿骨頸部の2ヵ所で精密な測定を行う骨密度検査器も設置しています。リハビリ室に関しては、人工関節をはじめ、体内に固定具を埋入している患者さんも、温熱効果でリハビリの可能なキセノン治療器を導入しています。医療機器はもちろん、診療室の椅子まで、どれも僕自ら何社も試してみて、自分の一番よいと思ったものを院内に置いていますね。

―続いて、診療方針を伺えますか?

痛みや不安の原因を早期に究明し、それに対して丁寧な説明と理にかなった治療法で一日も早い改善に向かえるように努めています。診療ではまず、治療が難しく、うまく付き合っていかなければならない症状なのか、それともゼロに近いところまで治せる症状なのか、病態を把握し、患者さんにご説明しています。完治の難しい場合でも病態をお伝えすることは患者さんにとって通院のモチベーションにつながりますし、それとうまく付き合っていく方法をご提示することも僕たちにできることです。僕は「老化だから」「年だから」という言葉が嫌いで、それは絶対に言ってはならないと思っています。なぜならそれを言ってしまったら、僕たち医師のいる意味がありません。それに対して解決を見出していくのが僕たちの使命だと思い、診療を行っています。

 

診療にとどまらず、手術も院長自ら一貫して行う

―診療する上で、心がけていることはありますか?

患者さんからよく話をお伺いすることは、原因の究明につながるので診療の基本です。また、触診といって直接患部を触るようにしています。そして、僕が診療を受けたらここは説明してもらいたいなと思うところを重点的に、必要があればご理解いただけるまで丁寧に何度もご説明していますね。それから必ず「他に気になるところはありませんか?」と尋ねるようにしています。というのも、何個も具合の悪いところを挙げたら申し訳ないと遠慮される患者さんが少なくないからです。それをレントゲン撮影後に打ち明けられると、再び撮影しなければならない場合もあり、患者さんに二度手間をかけてしまいますからね。

―こちら以外での医師としてのご活動はありますか?

休診日の木曜日は、現在も永生病院で手術を行っています。そちらで、当院の患者さんの手術も僕自ら行っています。手術の必要な患者さんに、僕から病院を紹介することも可能ですが、患者さんにとってはそこでまた一からのスタートになりますし、初めて会う医師に手術を任せるのは不安が大きいと思うんです。最初の診療から術後のアフターケアまで一貫して僕が診ることができるのは、患者さんにとってメリットが大きいと思いますね。例えば人工関節は平均して25年以上持つといわれていて、その方にとっては一生ものです。僕はその患者さんの人生に関わった以上、一生その方に寄り添って診療したいという思いがあります。また、手術は常に新しい知識がないとできないことですから、手術は医師として仕事を続ける上で僕にとってのモチベーションにもなっていますね。

―最後に、来院される患者さんへメッセージをお願いします。

治療のゴールデンタイムは、故障してから最初の2~3週間で、特に成長期のお子さんは成人の2倍速く治りますので、初期治療が大切です。適切でない位置で骨がくっついたり、捻挫しやすい足首を作ってしまうことがあってはなりませんから、早い段階で来院いただきたいですね。それが整形外科で治療できない病態の場合は、適切な医療機関をご紹介いたします。どんな小さなことでも気軽に相談できる地域のかかりつけ医として、住民の皆さんに頼っていただけるクリニックでいられるように、今後も精進したいと思います。

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